台南市の黄偉哲市長は4月26日、山口県を訪問し、村岡嗣政知事や県議会の柳居俊学議長や島田教明副議長らと懇談しました。観光交流の促進や若い世代の交流などについて意見を交わし、地方の交流を通じた日台間の友好促進などを確認しました。4月に花蓮で発生した地震をめぐっては、黄市長は山口側の支援に謝意を示し、村岡知事からはお見舞いの言葉がありました。
台南市と山口県は、2021年5月に議会が「友好交流に関する覚書」、市政府と県庁が2023年7月に「観光・物産、経済等に関する交流・協力に関する覚書」をそれぞれ結んでいます。黄市長の今回の山口訪問は、両覚書締結後初めてとなります。
懇談のなかで、黄市長は「台南400」の節目に合わせて開かれる日台交流サミットなどの関連イベントに村岡知事らが参加するよう要請するとともに、「山口のみなさんには、台南のおいしいフルーツやグルメを楽しんでほしい」と述べました。学校交流や文化芸術の交流など多様な交流を推進したい考えも示し、「若い世代が相互に交流する機会を提供したい」との考えを示しました。マラソン愛好家の村岡知事に対しては、台南400マラソンへの招待状を贈りました。
村岡知事は、台南の林百貨で山口の温泉と清酒をPRした去年の取り組みなどを挙げ、「山口県は、台南との間で、ツーリズムや物産、経済の分野で協力し、関係を絶えず深化させてきた」と振り返ったうえで、「双方の関係をさらに安定的に繫栄させたい」と意欲を示しました。
山口県議会は今年2月に日台友好促進山口県議会議員連盟として台南を訪問しています。今回の懇談で、柳居議長はこうした交流を挙げて、「日台間では、地方の交流などさまざまな分野で交流が発展している。昨今、国際情勢が混乱しているが、議会として日台の友好をさらに促進させたい」と述べました。
両市・県の交流は、まもなく総統に就任する頼清徳氏の台南市長在任中から続いているのもので、2016年発生の台湾南部地震では、山口側からの被災者支援があり、交流が緊密化してきました。また、故・安倍晋三元首相と岸信夫元防衛大臣からの交流後押しもありました。山口側からは官民双方ともたびたび台南を訪問しており、2月には、村岡知事が団長を務める訪問団が台湾ランタンフェスティバルに合わせて台南入りしています。
今回の懇談には、駐福岡弁事処の陳銘俊処長夫妻も同席しました。