稲わらなど農業残渣の焼却による大気汚染を低減するため、台南市は烏山頭ダム周囲の農地で農業用無人航空機から稲わら分解菌を散布する実験を開始しました。現地を視察した黄偉哲台南市長は、無人航空機に分解菌を補充する作業の手伝いを買って出て、「分解菌の使用により、稲わらの分解が促進されるほか、土中の有機物質の量も増加します。まさしく一石二鳥です」と話しました。
台南市政府によると、コメは台南で最も重要な農産物のひとつ。2万4000ヘクタールで2期作が行われ、14万4000トンの稲わらが発生します。生産者は自分の農地で稲わらを燃やす習慣がありますが、火事が起きやすいだけではなく、大気汚染の原因にもなります。一方、今回の方法は、1分間で分解菌を約10アールに散布可能で、省力化につながるうえに環境にも優しく、市では今後、引き続き学界や企業と連携し、実証実験を拡大していく予定です。
黄市長は現地視察で、稲わら分解菌やその使用法について説明を受けたほか、生産者に対して分解菌のメリットを紹介しました。また、今回使用している稲わら分解菌は企業が無償提供したもので、黄市長は感謝の言葉を伝えました。